相棒と走る。

  林道を左にまがると急に道が細くなりだした。砂利道脇には、数日前の雪が残っている。左側を流れるかわの水が限りなくきれいだ。12時をまわったとい うのに、川原の日当たりの良いところの雪でさえまだ残っている。空気が冷たい。誰もいない。車のエンジンを止めて、車の外へ出てみる。風景が身体すべてを 包み込む。山頂は、やや雲がかかり山肌は、白い。雪雲がかかっている。雪雲は、夏の雲とは全然違う。山沿いに住む人がこの雲を見た場合ほとんどの地元人 は、ん—雪雲だ 寒ぐなんなー!とつぶやく。太陽が出ているのにほっぺたに冷たい物が。太陽の光が反射して光りながら落ちて来る。これは雪だからきつねの 嫁 入りとは言わねーな!紅葉も終わり静かになった山もいいなーと思いながら再び砂利道を走る。ほとんどの木の葉は落ちて、冬の風景に向かう山肌。淋しくなっ た山肌のところどころにかすかに残る木の葉。こんな時期の山紅葉もなかなかいい!(写真をクリックすると大きくなります)

『裏を見せ 表を見せて 散るもみじ』良寛