スペシャリティーコーヒーといわれるコーヒー豆を扱っている人に、焙煎の話をすると、shozoさん、いい豆を仕入れれば美味しくなりますよ!うちの豆を使ってごらんなさい間違いなく美味しいから!昔は藁をもつかむおもいで、その言葉を信じ豆を仕入れていました。今思う事はいい豆を使ったからといってコーヒーが美味しくなるわけではないということです。焙煎の真実を解らないままいくらいい豆を仕入れてみたところでいい焙煎豆にはなりません。ちゃんとした焙煎術と味覚感覚を身につけないままコーヒーの道を走り出すと出口の見えない迷路に迷い込んでしまいます。日本の焙煎業界は迷路の中ではないでしょうか?。一般の日本の自家焙煎珈琲豆の味と海外のこだわったロースターのコーヒーの味の違いをちゃんと解っていて、そのうえで豆が違うんだよ!と言っているのだろうか?なぜ味が違うのかが解らないままヨーロッパやアメリカの業者のまねをしていても日本のコーヒーの味、焙煎術は進歩しないと思います。コーヒー豆の持っている本当のいい味のポイントはそんなに沢山あるわけではなく、追求していくとだんだん焙煎の仕方も、焼き上げのポイントも近いものになっていきます。海外では芯まできれいに焼き上げられる良い機械が生産されていた時期がありその機械を使い本気でコーヒーの焙煎に取り組んだ人たちはそれなりの味を作りだしました。同じような機械を使う人は追求すれば当然同じような焙煎になるでしょう。みんなが同じようにそして美味しくなってくるなかで、より美味しく、そして他店との違い、オリジナリティーを出さなくてはなくなった時、産地、グレードにこだわりそれを売り物とし、焙煎は同じでも仕入れた豆の違いを店の看板にするようになって来たと思うのです。これは技術と真実を身につけた後に考えるべき選択肢であって、闇雲に業者のいうがままにスペシャリティーといわれる豆を使い、美味しくなったように思ってしまう事は自分の成長にも、日本のコーヒー文化の発展にもなりません。斎藤さんは良くいいます。特別な豆を仕入れて、品切れになって迷惑かけるより、安定していつも変わらぬいいコーヒーを届けるほうがいいんだよ!プロだなーといつも身が引き締まります。オークションで一番高値で買った豆を焙煎して高く売る美味しくない店よりも、自分の味に自信と責任を持ちその味を解ってくれる人のために日々淡々と自分のコーヒーを焙煎する斎藤珈琲(札幌市中央区南19条西16丁目6番10号. 電話 011-532-9003 )の斎藤氏、本当のコーヒーを知っている日本焙煎界の貴重な存在です。