先日、東京で行われたクライマーの山野井泰史さんの講演会にいってきました。テレビや本で何度も見て憧れていた人です。山野井さんはヒマラヤの高峰や北極圏、南米などの難しい岩壁を主に一人で登ってきたクライマーで、その小柄で、ニコニコと穏やかそうな人柄とは想像もつかないような登山歴の持ち主です。スライド写真を見ながらの講演会でしたが、その精神的にも肉体的にも極限のクライミングの世界に会場は大興奮です。時にユーモアを言いながらも静かに話す山野井さんですが、一歩間違えば死に繋がるようなクライミングの世界。ひたすら山を登り続けてきて、生と死を分けるような体験を何度もしてきている彼の話から、その人生の濃さをものすごく感じました。話の中にこんなものがありました。「標高7000mくらいをソロで登っていると、大げさじゃなく山を登っているというよりも、地球を登っているというか、宇宙を彷徨っているような感覚になる。」常に山と向き合い登り続けてきた彼だからこその言葉です。誰もが体験できることではありませんが、これを聞いた時に、自分もまた自分なりの山を登り続けていきたいと思いました。
nasu 野崎