旅する珈琲

22年前札幌へ向かう旅の途中、小樽の町の中でオートバイがパンクした。修理の間、近くの小さな珈琲屋で珈琲を飲んだ。ペーパードリップの店。当時ネルドリップ信望者のバイク乗りが期待しないで飲んだその珈琲、うまかった。アルバイトらしい店員にペーパーの珈琲なのになぜうまいんだと少ない知識で質問したら、珈琲は入れ方じゃないよ焙煎だよ!とたしなめられた。目的の町、札幌まであと30km、焙煎 焙煎と初めて聞いた言葉を唱えながら海岸沿いの道を走っていた。

あの時の店員さんは、今独立して焙煎を仕事にしていると聞きます。そしてオートバイ乗りは、カフェを開きました。   バイク乗りは、いまだに焙煎 焙煎と唱えながら珈琲の旅をつづけています。