繕う

写真は現在奮闘中、ひねくれ者のイスです。

小さな頃に好奇心から懐中電灯を分解してみたものの、元に戻す事ができずにどーにもならなくなってしまった事を思い出しました。
と同時に、持ち主の方がこのイスを大切に扱ってきたんだなというのが強く伝わってきました。何度も何度も繕った箇所が見受けられます。そういった家具は他にいくつも見てきました。これでいいのか!?とツッコミを入れたくなるようなものもあれば、プロ顔負けの完璧な修理がされているものもあります。そんな時は使っていた方の人格や生活を垣間見たような気がして思わず微笑んでしまいます。

そう、このひねくれてしまったイスも何かの縁あって今私の手元にいるのです。無事お嫁に行ける事を願って作業の手を進めます。多少個性的な性格かも分かりませんが、店頭で見かけた際にはどうぞ触れてやって下さい。自分が手をかけた家具達が旅立つのは嬉しいような、悲しいような・・・。(でもやっぱり嬉しい!)家具を生み出す作り手の方、そして使い手の方の気持ちを大切にしたいと思う。そんな毎日です。

rooms 渡辺